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01

防水・雨仕舞を主とした建築物の耐久性に関する研究

Waterproofing materials  Weathering  Durabiity

建築物を長持ちさせるために必要不可欠な事は、建築物・建築材料を水から守ることです。なぜならば建築物に使用されている多くの材料は、水と接すると劣化するためです。

世界的に見て、日本は年間降雨量が多い多雨国です。そのため昔から雨仕舞や防水の技術,材料,工法,職人さんの施工能力が発展し、世界の中でも高い水準となっています。一方、昨今の気象の激甚化により、更に厳しい環境に耐えられることが要求されていますし、人手不足による省力化も求められています。

そこで、今後も耐久性のある建築物を実現するための研究を行っています。

研究テーマの一例
・メンブレン防水層の耐風性に関する研究
・メンブレン防水工事における省力化に関する研究
・メンブレン防水の改修に関する研究
・ふくれなど、メンブレン防水の不具合に関する研究
・化粧スレート葺きなど、平板系屋根葺き材に防雨機構に関する研究
・シーリング材の耐久性に関する研究

02

災害に強い建築外皮の研究

Envelope  Flood Damage Disaster Prevention

昨今の気象の激甚化による暴風や豪雨により、全国で毎年の様に浸水害などの災害が発生しています。屋根や壁などの建築外皮は、これらの災害に対して強いことが求められます。また被災してしまった場合でも、なるべく早く且つ簡単に復興できることが望ましいですし、部材を継続して使用する場合はその後健全な状態が維持されなくてはいけません。

そこで、建築外皮や床などに使用される建築材料を対象に研究を行っています。

研究テーマの一例
・浸水害時を想定した、木造戸建て住宅の各種部材の吸水乾燥特性と各種性能に関する研究
・野地板の健全な釘引き抜き耐力を保持させるための研究(耐力低下を引き起こす諸要因の整理)

球磨川流域(熊本) 2020.7撮影

03

屋上緑化などの建築緑化や自然素材など、サステナブル建築に向けた研究

Sustanable Green Roof Building Greening Natural Materials Biophilia

古代ギリシアの医師ヒポクラテスは「人は自然から遠ざかるほど病気に近づく」という言葉を残しています。また1984年にアメリカの社会生物学者のE.O.ウィルソンは、「人は本能的に自然とのつがなりを求める」という、バイオフィリア仮説を提唱しました。建築ではバイオフィリックデザインとしてその仮説を取り入れ、屋上緑化,壁面緑化,屋内緑化などが施工されています。

また本学がある千葉県は、放置竹林が問題となっています。竹林の管理には時間も労力もコストもかかりますが、伐採した竹の活用の一例として竹炭が挙げられます。竹炭はその細孔構造により、においや水蒸気などを吸脱着できま、金閣寺や銀閣寺の床下には、木材の腐朽を防ぐために竹炭が敷かれています。これ以外にも様々な方法で、竹炭は建築で利活用することができると考えられます。

そこで、サステナブルな建築の実現に向けた研究を行っています。

研究の一例
・屋上緑化の雨水貯留効果に関する研究(雨水排水遅延効果)
・竹炭の利活用に関する研究
・建築緑化の印象評価

ラコリーナ近江八幡 2018.6撮影